フォンスティ音楽教室① 音楽史の話をしようとしましたが楽器分類法の話スティーヴ
皆様お久しぶりです!!世界史べーた(仮)様のOP曲、アイキャッチ効果音、及び音楽史動画を主に制作しているスティーヴです!!ブログを書くのも本当に久しぶりですね……。その間に新しく入会される方もいれば、去られた方もおり……時の流れ、そしてそれが過ぎ去る速さを直に感じておりました……。
前までは私がキングダムなりアド・アストラなり好きな歴史漫画について語っていたのですが、せっかく私も本格的にべーた様の音楽要員として活動を開始したので、今回からはフォンスティーヴのクラシック教室と題し、この私スティーヴがとにかくクラシック音楽、そして世界の様々な作曲家、音楽史について語ろうと思います!!Youtubeの方で投稿されている音楽史動画のこぼれ話をするかもですし、行き当たりばったりなのでちょくちょく話が脱線すると思います……どうか温かい目で見守ってください……ちなみに次回は未定です!!
さて、じゃあまずはベートーヴェンの話でもしますか、ベートーヴェンが生まれたのは1770年、日本ですと明和7年、江戸時代です。そもそも日本って元から独自の音楽文化を持っていたんですよね。卑弥呼について記されたことで有名な「魏志倭人伝」には、邪馬台国内では葬儀で歌舞をしていたと言う記述があります。また、日本書紀には第14代天皇の仲哀天皇が琴を弾奏していたと言う記述があるそうです。
「琴」という楽器は未だに謎が多くてですねぇ……。古代の日本では呪術に使われていたという噂もあります……。一応「琴」という楽器は弦を使って音を出すので「弦楽器」という分類に入るのですが、ヴァイオリンと琴が兄弟、仲間ってのは少し無理がありますよね笑
弦楽器にはヴァイオリンのように弦をこすって音を出す擦弦楽器、ギターのように弦をはじいて音を出す撥弦楽器、ピアノのような弦を叩いて音を出す打弦楽器(弦打楽器)の、主に三つの種類があります(古代祭りの時の動画で話したっけな……。)。あと古代祭りの動画ではオーケストラで使われる楽器は主に「弦・打・吹」の三つに分かれると言ったと思うんですけど、実はそれよりももっと細かい分類があります(このままだと例外が結構ありますしね)。その分類はドイツの音楽学者である「クルト・ザックス(1881-1959)」とオーストリアの民族音楽学者「エリッヒ・モーリツ・フォン・ホルンボステル(1887-1935)」の2人によって20世紀初頭に作られました。この分類法は2人の名前からとって「ザックス=ホルンボステル分類」と呼ばれています。
ザックスホルンテス分類(以下HS分類)では、楽器は「体・膜・弦・気」の4つの属性に分けられています。現代ではそこに新しく「電」というものが加わったので厳密には5種類ですが、電は少しイレギュラーなケースなので4+1種類と言った方がいいですね。例外はなく、この世にある楽器は全てこの4+1属性がベースとなっています。では体・膜・弦・気とはどういう意味なのか。結論から言いますと、これの鍵は「発音原理」です。
「体」は「体鳴楽器」の略。楽器そのものが発音体となっているケースです。具体的な例ですと「シンバル」や「カスタネット」など。息や弦を必要とせず、楽器をぶっ叩いてそのまま音を出すことができますよね。じゃあ「体は打楽器のことなの?」と言われたらそうでもありません。あとで説明しますが「ティンパニ」や「タンバリン」は膜属性に分類されます。また、「オルゴール」もこの体属性に分類され、ワイングラスやコップに水をはってその縁を湿った指でなぞることで音を出す楽器かどうかすらも怪しい「グラスハープ」もこの体属性に分類されます。例えば、黒板を爪で引っ掻いて「キィィィィィィ!」という音を出すアレは、引っ掻くことで黒板そのものが発音体となっているので体属性に分類されます(どちらかと言えば雑音ですが……笑)。実はそれだけではなく、体属性の中でも、奏法や作りによってさらに細かい分類がされます。例えば細かい音程があるもの、それだけでメロディーを演奏することができるものは「旋律体鳴楽器」、できないものは「非旋律体鳴楽器」と呼ばれたり、それとは別にグラスハープのように擦って音を出すんだったら「擦奏体鳴楽器」、それよりもシンバルのように直接的な方法で音を出す場合は「打奏体鳴楽器」と言われたりします(そしてさらにその中で細かい分類があったり(T_T)……。)。ですが四属性より先の分類に関しては学者や国によって大きく解釈や名称、方法が変わってしまうのであんまり気にしすぎずに聞いてください笑。
「膜」は「膜鳴楽器」の略で、まぁ日本で使われている太鼓は大体これだと思ってもらって大丈夫だと思います。名前の通り木の筒や枠などに薄い皮や紙でできた「膜」をはることで体鳴楽器とはまた違う形の振動を起こします。まぁこれにももっと細かい分類はありますが、他の3つに比べたら簡単だと思います(多分)。ドラムセットで使われるスネアやキックも膜属性が大半だと思います。
「弦(やっとここまできた……)」は、まぁイメージの通り弦鳴楽器です。弦を発音体として振動を起こして音を出す、まぁほぼ弦楽器ですね。さて、最初の琴とヴァイオリンの話に戻りますけど、弦属性って少し特殊でして、ザックスの分類法によるとまぁまず弦属性は四つに分かれるそうです。それぞれ「ツィター」「ハープ」「リュート」「リラ」。
「何度も言うんですけど、この話はマジで諸説がありまくりんなので私のこの話だけでなく、自分の納得できる答えを探してください。無責任ですんません!!!」
まず結論から言いますと、まず琴は「ツィター属」に入ります。ですが、ヴァイオリンは「リュート属」に入るんですね。あと、ピアノも実は「ツィター属」です。なのでどちらかと言えばピアノはヴァイオリンよりも琴の方が仕組みは近いんですねぇ……。
いや、ほんとにここの分類はマジでめんどくさいです。
まずツィター属なんですけど、”主には”共鳴体とされる筒なり箱なりに弦をはったものを指します。なので琴はこれに属します。
「あれ?でもヴァイオリンもそれに近くない?」
そう思った方もいると思います。わかります。ではリュート属ってなんなのかと言いますと、ネックがついているタイプの弦楽器です。ネックがついていたら何ができるのかと言いますと、演奏しながらネックを指で押さえて弦の長さを調整することができるんですね。そこが大きな違いです。ギターもリュート属に入ります。もちろんヴァイオリンも。
はい、この分類法で一番めんどくさくなってくるのが我らがピアノくんです。先ほどは琴とピアノはかなり近い位置にいると言いましたが
「琴とピアノが兄弟?そんな分けねぇだろ!!」
と、そう思いますよね、ご安心ください。私もそう思ってます!!!
この話の中で一番大事になってくるのは楽器の構造、そして発音原理です。ピアノという楽器はかつて「チェンバロ」という楽器でした。音は今と比べればギターに近い音で、仕組みとしてはピアノとさほど変わりません。ですが、実はそのチェンバロの前身のような楽器も存在していました。「ツィンバロン」という楽器です。ピアノのご先祖様のようなものですね。
ピアノとツィンバロンの一番の違いは鍵盤の有無です。ツィンバロンには鍵盤がありません。じゃあどうやって音を出していたのでしょうか……?
実際に画像を調べてみてもらったらわかると思うのですが、ツィンバロンはピアノの面影はあるものの、弦は剥き出しになっていて、鍵盤を介さず直接指で弾く、もしくはバチのようなもので叩くという方式をとっており、またその構造はツィター属の定義である「共鳴体に平行に弦をはる(琴をイメージしてもらったらわかりやすいかと)」というのに当てはまっています。そしてそのツィンバロンに鍵盤をつけ弦を直接叩く作業を簡略化したのがチェンバロ、さらにそのチェンバロを改良したものがピアノですので、発音原理的にはピアノはツィター、そして琴と同じなんですね笑。
さて、本当はね、気と電の話をした後に日本音楽史の話に戻ってベートーヴェンの話もしたかったんですけどね……。
意外にも筆が乗ってしまってブログの癖に星新一のショートショートぐらいの分量になってしまいました……。
めっちゃ中途半端なところだと思うんですけど、一旦、一旦今回はここで終わろうと思いますッ……。
いやマジですいません、私もここまで話が広がってしまうとは思ってなかった……。
次回は「楽器分類法後編」「日本の独自の音楽文化」「ベートーヴェンこぼれ話」
の三本でお送りします。お楽しみに!!
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