2022年秋から加入いたしました。中国屋の敬仲と申します。 アイコンとしている人物は梁啓超(1873 – 1929)。高校世界史においては、1898年の「戊戌変法」で師の康有為とともに登場します。 彼は思想家、ジャーナリスト、政治家、教育者、歴史家等々、多くの面を持っています。その中で一番の功績は、「近代化が必要だ」と当時の中国の人々に自覚させたことにあると考えます。 1895年に日本に敗れたことに端を発する変法運動から、1911年の辛亥革命にかけての16年間は激動の時代でした。政治・経済・外交の変化もさることながら、中国に欧米の思想・学問が堰を切ったように流入しました。 梁啓超は日本語でかかれた著作物を媒介として、欧米のあらゆる知識を得て、それを新聞雑誌の主筆として発信しました。同様のことは、孫文らの革命派もやっていました。政治的主張の発信では革命派が勝利したものの、知識の発信における影響力では梁啓超に及びません。 私が動画投稿を始めることを思い立ったとき、誰を手本にしたいか考えると、梁啓超をおいて他にありませんでした。 (アイコンに選んだ理由として、もちろん彼がイケメンだからというのもありますよ) 梁啓超の著書の翻訳には以下があります。 ・高嶋航 訳『新民説』平凡社東洋文庫 2014年 ・岡本隆司ら訳『梁啓超文集』岩波文庫 2020年 ※そのまえに 狹間 直樹『梁啓超:東アジア文明史の転換』岩波現代新書 2016年 を読もう! さて、実は私は歴史好きというよりも、古典好きというのが適切です。大学は中国古典を扱う専攻の出身です。(中国文学とか中国文化とか中国哲学とか東洋哲学とかのワードが名称に入っているところ) でも古典でとっつきにくいんですよね。中学・高校で地歴公民は得意だけど、国語の古文漢文はあんまり……って人も多いと思います。実際、言葉・文法がハードルですし、時代・ジャンルの偏りから、地歴・政経好きな人に魅力的なものは少なかったでしょう。 (古典に触れる大事なチャンス故に、勿体なく感じます。しかし他国や他ジャンルになると「国語」の枠から外れてしまうという問題もあります) この世界史べーた(仮)は「歴史を学ぶきっかけをつくる」「歴史の魅力を伝える」というのが主題ですが、ついでに古典も便乗させてもらおうと加入しました。 専門の中国ばかりになるとは思いますが、歴史理解の補助として積極的に古典を活用したり、古典の知識があってこその、思想史・宗教史等の動画を作っていけたらと思います。 (ブログの方もなんらかの形で中国に触れることになるでしょう)